交通事故の過失割合はどのように決定されるのか

事故の責任は加害者と被害者の過失割合に基づいて双方が負担します。

責任の割合は「9対1」「8対2」等と数値化され、数値の低い方を被害者と呼びます。

過失割合がどの程度になるかによって、賠償金額が左右されることになるため、過失割合について正しく理解し適切な割合を認めてもらう必要があります。

従ってここでは、過失割合が持つ意味と決定要素について解説します。

事故における双方の責任を示すのが過失割合

事故は加害者と被害者双方の関係性によって起こるものであり、加害者だから100%非があるとは限りません。被害者にも何らかの不注意があると考えられるのが一般的で、双方はそれぞれの過失を数値化した比率に従って責任を負うことになります。

これを「過失割合」と呼びます。

被害者も過失割合に従って加害者に対する賠償を行う必要がありますが、実際に金銭を支払うのではなく、被害者の過失割合分が相殺された後の金額を賠償金として受け取ることで被害者による賠償が行われます。

これを「過失相殺」と呼びます。

例えば被害者が200万円分の損害を受け、過失割合が7:3だった時、被害者は3割分の過失相殺を受けることになるため、加害者側から実際に受け取れる賠償金額は200万円×0.7=140万円のみとなり、差額の60万円分については被害者自身が負担することとなります。

もし、過失割合が8対2だった場合は、200万円×0.8=160万円を受け取れることになり、被害者負担分は40万円で済みます。

過失割合を決定するのは警察ではなく保険会社

事故が起きるとまず警察がやってきて、現場確認や調書の作成を行います。これら警察による実況見分調書等の資料に基づいて、実際に過失割合を決定するのは保険会社となります。

警察は事故について調査し事実関係を明確にするのが主業務ですから、賠償問題に関わる過失割合については関与しません。警察による資料をもとにして、加害者側保険会社と被害者が任意に過失割合の合意を話し合いなどによって行うこととなります。

保険会社は過去の判例や自社における保険金支払い履歴等を参考にして、適切と思われる過失割合を被害者に提示しますが、弁護士や裁判所のように個々の事故に対する適切な責任分担まで判断することはできません。

従って類似例に基づいた過失割合を提示することが多く、また営利企業である保険会社にとって不利な割合は提示しないため、被害者としては納得がいかないケースが多々あります。

過失割合を調整するための加算要素・減算要素

車と車、車と人との事故では、その状況から責任の重さが加算あるいは減算されることがあります。

車と車による事故の加算例

酒気帯び運転や時速15km以上のスピード違反等、運転者として持つべき注意が明らかに欠けている場合を「著しい過失」と呼び、過失割合は10%程度加算されます。

飲酒運転や無免許運転、時速30kmを超えるスピード違反等は、著しい過失よりさらに悪質かつ故意に近いとされるため「重過失」とされ、過失割合は20%程度加算されます。

また、大型車は相手方に与える損害が特に多くなる傾向があるため、通常より高い注意義務が必要とされ、事故の際には加算の対象となります。

車と人による事故の加算例

交通弱者とされる人側にも、過失が加算される場合があります。

例えば車が人を認識しづらい夜間の事故や、無理な横断と見なされる幹線道路の歩行における事故、横断歩道以外の場所を歩行した場合や車両通過の直前直後に飛び出した場合等は、被害者の立場とされる人側にも過失が加算される可能性があります。

事故の様態は一つ一つ異なっており、ケースに応じた加算・減算が行われます。

従って過失割合を保険会社と被害者個人で決定することはあまり望ましいと言えず、道路交通法や過去の判例を専門的に理解する弁護士の力を借りて正しい割合決定を目指すことが不可欠になります。

適正な過失割合の証明には交通事故経験豊富な当事務所にご相談を

当事務所では累計300件を超える交通事故相談を受けていますが、過失割合を適正に証明するためには、実況見分調書をきちんと取り寄せ、依頼者の記憶を丁寧に辿り、実際に現場に赴き目視確認することが非常に大切であると実感しています。

特に実況見分調書は、警察が入念に調査した事故状況の客観的記録ですから、その信用性は絶大だと言えます。

これらの材料があれば、過失割合について大よその判断をつけることは可能ですが、別途分析作業を行う必要があるケースも存在するため、そのような場合は信号サイクルをあらためて確認したり付近の監視カメラ映像を確認したりする等、詳細な作業が求められてきます。

また、被害者と加害者は最も正しく事故様態を知る立場にありますから、車に受けた傷や道路に残ったブレーキ痕等、双方の状況や周辺の様子を写真に収めておくことが非常に大切です。

事故発生時の様子を証明する証拠となり得る場合があり、保険会社と過失割合について交渉する際に大変役立つ可能性があります。

被害者と弁護士とが二人三脚で準備し交渉に臨むことで、適正な過失割合で合意することができますので、一人で抱えることなく、ぜひ当事務所までお気軽にご相談ください。

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