異議申し立てにより後遺障害14級を得られた事例

- 後遺障害等級
- 14級9号
- 傷病名
- 右大腿部打撲
- 保険会社提示額
- 交渉前
- 最終獲得額
- 348万円
ご相談内容
被害者 | 20代女性 |
---|---|
部位 | 右足部 |
傷病名 | 右大腿部打撲 |
後遺障害等級 | 14級9号 |
獲得金額 | 400万円 |
自転車で走行中、交差点から飛び出した軽トラックにはねられ、右足を負傷されました。通院中に、交通費の支払いなどについて保険担当者ともめたため、相談にお越しになりました。
サポートの流れ
ただちに受任後、交通費について相手方保険会社と協議し、その後、治療を続けられ、症状固定に至りました。そして、後遺障害診断書を作成の上、被害者請求を行い後遺障害等級の認定を求めましたが、結果は非該当でした。しかし、診療経過や残存症状の内容からみて妥当ではないと判断し、後遺障害認定に対する異議申し立てを行ったところ、14等級9号が認定されました。
項目 | サポート前 | サポート後 | 増額幅 |
---|---|---|---|
後遺障害等級 | 14 | – | |
入通院慰謝料 | 150 | 150 | |
休業損害 | 25 | 25 | |
逸失利益 | 73 | 73 | |
後遺障害慰謝料 | 100 | 100 | |
合計 | 348 | 348 | |
単位:万円 |
解決内容
被害者請求を行い、等級について最初は非該当の結果となりました。しかし、本件事故は被害者がはねられた際、自転車ごと加害車両の前面ガラスにはね上げられ転倒するなど、事故の衝撃が激しかったこと、症状固定を迎えても歩行困難なほど痛みを抱えていることから、妥当ではないと判断し、再度の調査を行いました。本件打撲傷は、骨折を伴っておらず外見的には完全に回復しているので、明確な他覚的所見もありませんでした。そこで、痛みが生じるメカニズムも含め、主治医のもとへ赴き、意見を聞きました。主治医からは、事故直後に太腿部に生じた血種の画像を示し、症状固定時点において血種は完全に治っているが、衝撃も大きかったので、血種の発生とともに見えないレベルの神経の断裂が生じ、その神経の再生が完全に行われず、痛みが残存した可能性を指摘いただきました。そこで、主治医にその旨の医証を作成いただき、血種画像とともに異議申し立て書に添付しました。さらに被害者(学生)が歩行困難で学内でのエレベータ使用許可をもらっていたため、その許可証の写しを添付しました。これら書証に基づき、神経症状としての後遺障害認定をおこなうべき旨を主張したところ、異議申し立てが認容され、14級9号となり賠償金が増額しました。
所感(担当弁護士より)
後遺障害認定は、事故の激しさや残存症状の内容から判断されますが、いわゆる「痛み」は自覚症状であり他覚所見がないことが多いため、その認定も慎重になっていると思われます。しかし、本件は、事故により受傷部位に血種が生じ神経等の損傷が窺われ、その再生過程で症状が残存するという受傷のメカニズムを指摘できたことで、等級認定につながったものといえます。このように、医証をはじめ適確な資料提出により、異議申し立ての認容が十分可能であることを示す一例と言えます。